2019/04/05 21:41
たかはた食文化研究会 顧問 島津憲一 監修
今回、外薗氏の志あるご尽力により、玄米と味噌を中心とする一汁三菜の和食が高畠町上和田有機米生産組合を牽引してきた菊池良一さんの菊池式有機米が日本人のルーツ食としてここにまとめられたことを寿ぎたい。
和食が世界最高の理想的な健康食とされたのは、1977年、米国上院において全世界から各分野で最高峰の医学・栄養学の専門家が集められ「食事(栄養)と健康・慢性疾患の関係」について、世界的規模での調査・研究が行われ、その結果をまとめたマクガバンレポートにおいてでした。
確認されたのは、病気は薬では治らない、正しい食を取らなければならないとし、その食事指針もUSDA Food Pyramidとして米国民に示し、先進各国にも大きな影響を与えました。
そして注目すべきは、理想とされた和食とは現在のものではなく、玄米食であった元禄時代以前の伝統食とされたことです。白米による脚気死は、江戸患いとして歴史に刻まれており、明治の日露戦争時には1日六合の白米を支給された陸軍において、2万8千人もの、世界に類を見ない犠牲者を出す大惨事を呈しており、当然のことだったのです。
本書では、玄米と味噌を中心とした和食を中国の薬膳に対し、排泄と腸内環境を良好にする日本の食による薬膳を和法薬膳として、本書の食の中心に据えています。飽食の時代にあって、和法薬膳の価値をしっかりと見据え、再確認すべきなのです。健康を左右するものは何といっても食ですが、和食のルーツは元禄時代以前の玄米にあったわけですが、その日本では、ガン死がずっと増加しており、一方、米国はガン死亡を減少させているのです。
これはどうしたものでしょうか。
和食は日本人のルーツ食であり、玄米と味噌汁と菜からなる一汁三菜は、現在においても最高の食であり、最高のアスリート食、美容食でもあります。
本書には、白米、あるいはパン、麺などに依存した理想の和食とはかけ離れた食の現実に対し、和法薬膳の普及、啓蒙を図りたいとの思いが見て取れます。玄米の正しい食べ方を研究開発した酵素療法の第一人者である鶴見隆史医師さらには糖尿病を薬なしで克服し、玄米のエビデンスを著した前統合医学会会長渡辺昌医師など多くの医師によって玄米は健康食として推奨されていることは、力強い限りです。
マクガバンレポートの真髄は、多くの病気は食を正さなければ治らないと結論付けています。本書の中心である和法薬膳には、日本人の健康に寄与し、多くの人々の自立を支援するという志を持った食であり、その普及拡大は、正しい食の普及に大きな役割を担うものと確信し期待致します。
【注目記事 山形新聞 和食の価値】
【注目記事 山形新聞 映画「いただきます2」】
【注目 町の食育地産地消推進協議会 役員会にて「日本のルーツ食」の価値を紹介】
山形県高畠町の本物の食べ物づくりが注目される年になるでしょう!!